蕾の美「シャルロットぺリアン」
2020.11.08絵を選ぶ時、家の壁に飾った時を想像していますか?
飾ってみると意外と小さすぎたりして、リビングの絵としてはメインの絵にならなかったりします。
この絵は、昨晩、シャルロットぺリアンを描いた小品ですが、小さくても存在感があるように、肉筆感を大事にした作品です。
肉筆感とは、いわゆる長い時間をかけて丁寧に細かく描いたというより、画家がふと空いた時間に、何かにとりつかれたように描いたライブ感を大事にしている作品ですが。
この絵は、アトリエで仕事していて、今日はもうこれで帰ろうかと迷っていたけれど、ふと、もうあと1点、ふんばって仕上げることを決意し、
そして、30分ほどで仕上げて、アトリエを後にしたのです。
あまり時間もないなか、しかし、和バラの中で最高傑作のシャルロットぺリアンと対峙し、圧倒的な存在感を出そうと試みた作品です。
時間があまり取れない時こそ、画家の本質が現れたりします・・・
この肌色、つまりヌード色は、女性のヌードを連想させると思いました。
少しピンクがかっていたり、少し青白い肌色に見えたり
また、時折光沢があり、シャンパン色に輝いてみえたりします。
少し濁ったアンティークピンクや、ダークなピンクを少量入れながら、
ハイライトとの対比を意識しながら描きました。
花びらが開く直前の状態が一番女性のヌードを連想させ、すべるような女性の白い肌のようだと思いました。
つまり、開く前の一瞬は、最も官能的だと思い、この一瞬を描き留めたいと思いました。
花の絵には、官能的である要素がとても大事だと思っていて、そういった意味で、とても興味深いバラです。
バラは女性そのものですから。
そして、シャルロットぺリアンは、見事なまでに女性の肌を表し、そして、画家(私)の心をもわしづかみにしました。
開花する状態はもちろん美しいのですが、
「蕾の美」とは、つまり、開花する前の官能美なのです。
そういった意味で、興味深い絵として見て頂けたら大変嬉しいです。
過去作としての「蕾の美」を描いた作品があります。
(この作品はすでに売約となっています。)
開花する前も、また美しい一瞬なのだというメッセージを込めた作品です。背景はダーク色で、蕾の美しさを引き立たせようと試みた作品です。
制作途中で、ついに手前中央の芍薬が、開花し始める瞬間を見てしまい、
それを描き留めようとし、忘れられない作品となりました。
今回のシャルロットぺリアンの絵も、開花する直前の蕾の絵です。
光り輝くであろう時は、すぐ側まで来ている。
そんな予言を込めて、大事な女性に捧げたい絵です。
将来の幸福と輝かしい未来を夢見る少女は、きっと最も美しい年ごろなのです。
この作品の詳細は、こちらまで