Essay

秋の長傘

2020.08.05

イギリスから、新しい秋の傘がたくさん届いて、新しく開設したギャラリーは傘だらけになりました。11本も作ったので、全部広げてみると2部屋が傘で埋まりました。
 春から初夏は青い傘がとても人気だったので、秋バージョンを作ることにしたのです。

試作段階が一番大変で、色々作ってみましたが、
私の個人的お勧めは、写真の4点です。

8月から9月は、葡萄が実る季節なので、葡萄の傘を作ることにしました。
1点は「シャルドネ」
もう1点は「ハニーシードレスとスチューベン」の傘です。

シャルドネの絵は、水彩画から絹絵に描きなおし、それをさらに傘にしてみました。プリントがとても美しいので、繊細な絹絵のスモーキーな色もきちんと拾っていて、ハンドル部分の金具のエメラルドグリーンとの流れも、なんだかとてもいい感じです。

「ハニーシードレス」は琥珀色の葡萄で、「スチューベン」は漆黒の葡萄です。ブドウ園(マルタ園)にお邪魔した帰りに大量のつづらふじを見つけて、シャンデリアのように垂らして描きました。
このオリジナル水彩画は数年前に、確か東京の西武百貨店で売れたと記憶しています。

「極楽鳥花」はRukaさんにアレンジメントして頂いた花を描いたものです。巨大な花たちが、傘の中でまたダイナミックに美しく咲くように配置してみました。

ラスト1点は、1本の巨大な「ヤドリギ」を描いてから、背景をネイビーに加工して傘にした絵柄の傘です。
ビジネスマンにも持ってもらいたいユニセックスな傘です。
このヤドリギは、2019年12月に旅行したドイツのクリスマスマーケットでたくさん見たので、たぶんクリスマス時期まで使える傘だと思います。

傘に関しては、ブルーからグリーンがとても人気です。
トレンドを意識するなら、秋はシックなグリーンが流行するのかもしれません。

傘というのは、ファッション小物の中では、最も水彩絵柄をダイナミックに表現できます。
上の絵が小さく見えるほど、傘は大振りです。
突然の豪雨でも、ジャンプ傘なのでスピーディーに開き、とても重宝します。
アトリエに行くとき、いつもこの傘を持って行き、突然の通り雨とかあるので、晴れていても持ち歩く感じになっています。

大振りサイズで水彩絵柄というのはとても珍しい、と人気です。

また、8面に分割してあらたに配置することで、新しいアンブレラアートにもなるので楽しんで作っています。

ハンドルは、黒も作れますが、ブラウンが人気のため、1種類にしました。
この4種類の傘は、8月から10月までの限定販売となります。