Essay

ビーツの日々

2023.12.17

2023年は、慣れない料理にも挑戦したりして、

私としては、よくキッチンに立った一年でした。

筆を包丁に持ち替えて、

とにかく朝昼晩と台所に立ち続けた一年でした。

いろんな野菜を切ったけれど、私の一番のお気に入りは

やっぱり「ビーツ」でした。

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真っ赤な汁が、ルビーのように美しく、

毎日カットして赤い色を見るのが好きでした。

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ビーツのスープ
お皿: ENZA FASANO(エンツァ・ファサーノ )

これにアーモンドミルクを足して、ピンク色のスープにしてみたり(中央)

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それは、絵の具の混色のように楽しかったのです。

野菜にも色素があり、料理を手作りしながら、

色の混色の感覚はつかめるのです。

カボチャにアーモンドミルクを混ぜると、オレンジ色が、肌色に変色したりして面白いのです。

まあ、私の場合、料理と言うより、「色遊び」ですね

カボチャは、オレンジ色に絵の具の白を混ぜるのとまったく同じで本当に面白い

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それで、スーパーでは、私以外誰もビーツを買わないのか、

私が買わない日は、2袋ほど残ったビーツが、

翌日も同じ状態で残っていて

他の野菜に埋もれて、なんだか人気のない野菜に見えてしまってる

毎夜、食後に20分かけてスーパーまで歩く私は、

ビーツを見つけてはそれを買って帰り、

冷蔵庫に入れてから早めに就寝しました。

翌朝、フライパンや鍋で、毎日調理し続けました。

栄養についてあれこれ書くつもりはないのです。

ビーツは、2個か3個ずつしか入荷しないので・・・

その効能について知られたために、なくなってしまったら困るからです。

ある日、唯一近所で売っているお店の店員さんが、

売れないのを気にしてか、効能について書いたポップをついに立ててしまい

あ、やばい、と思いました。

案の定、すぐに他のお客様に取られました。

それで、ついにネットスーパーで箱で買う決心をしたのです。

思い切って10キロ

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その結果、大きくて立派なのが、2箱大量に届き、

さすがに冷蔵庫に入りきらず

来る日も来る日も、ビーツの日々になりました。

それで、その結果どうなったかわかりますか?

たくさんビーツを食べた経験のある方は、たぶん想像がつきますね。

ここにはあえて、書きませんけれどね。

さて、恐らく赤い色素の栄養素が体内でマックスになって

夏が過ぎ、秋になり、

10月、11月の血液検査で

なんと驚くべきいい結果をもたらしてくれました。

冷凍庫には、凍ったブルーベリーがいつもあり、

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そして夏の間、野菜庫には、ずっとビーツがありました。

夏は、冷やして飲めばいい感じです。

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固い意志と継続力

それは

私の最大の持ち味で、

昔から粘り強さと、最後までやり通す気質があったので、たぶん成し得たことでした。

これは、いい絵を描くための長いトレーニング

ただ、切り続ければいいのさ、ビーツを

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ただの準備運動なんだから

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修行なのだから。

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固い決意と共に、買ったビーツ10キロは、順調に減っていき

野菜庫は、ついに空になった時

さらに、第2弾、5㎏のビーツを買いました。

絵を描くのも、料理を作るのも、きっと同じ

続ければ、なんとかなる

しかし、何のために作るのかという理由がはっきりしていないと、

実際、絵も料理もコンセプトがぼける

嘘の塩を買い、嘘のみりんや醤油を買う。

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嘘にまみれたものばかりだと、やがて体が弱り

誰も幸せになんかなれない

やがて心まで病んでしまう

心と絵は繋がっているのだからね

朝5時に起きて、みそ汁を作り始める

鉄のフライパンにエキストラバージンオリーブオイルを垂らして、

ビーツを炒めはじめる。

朝6時になったら、ビーツ入りサラダを口に入れ始める。

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毎日同じ作業を3回繰り返して、

気が付けば12月になっていた。

よく頑張ったな、と自分でも思う

好きな絵を描くのを我慢して、日々、苦手な料理をし続けたのですから

その結果、少し器用貧乏にもなった。

どんなことがあっても、筆を置かなかった私が

筆を置いて、包丁を持ち続ける日々は、

もうすぐ終わります、きっと

来年は、再び筆を持ち直し、

きっときっとたくさん絵を描くでしょう。

大好きな絵を・・・

やり切る力をくれたビーツとオリーブオイルと

神様に感謝

(画家に料理のレシピを聞くほど、滑稽なことはない。

決して、作り方など、質問しないように・・・お願い致しまする。)

AYAKO TSUGE STUDIO

Kicthen彩