Essay

ハチミツと水彩画

2021.08.30

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 9月の名古屋水彩サロンは、「ハチミツ」をテーマにしています。

https://ayakotsuge.shopselect.net/items/47218992

秋の花は、チョコレートコスモスか、トルコキキョウでと思っています。ダブルクリックパープルというシックで大人な色味のコスモスをできれば入れてみたいと思っています。(入手できるかは未定です。)

参加者には、6名様限定で、クリエイティブコープホームのハニージャーを1個レッスン時に、お渡しする予定です。

さて、モチーフを考えるとき、私の過去の水彩のお仕事に関連付けていることがあります。

ハチミツと言えば、私にとってディズニー関連のお仕事「くまプーさん」の挿絵で、最初に頼まれたのが「ハチミツ色の夕焼け空」でした。

ハチミツそのものを描くというより、はちみつを連想させる美味しそうな空を描くよう要望されたのが、お仕事の始まりでした。

「ハチミツ色の夕焼け空って掛けますか?」

こんなリクエストに、あなたなら、どう答えるでしょうか。

①「それは描いたことがないので、描けるかどうかわかりません」

②「少し練習してから、回答していいでしょうか」

③「まずもって、無理です。他の方にお願いしてください。」

④「ハイ。描けます。」

上記のうち、どの回答をするでしょうか。

チャンスはその日1回だけです。

あなたに突然やってきた、小さなチャンス・・・

私の水彩画のお仕事は、花に限らず、風景や食品素材だったり、様々だったのですが・・・。

私の答えは、「ハイ。描けます。」でした。

描いた経験がなくても・・・、この答えがすっと出てきました。

制作日数はと聞かれると、1日、と答えてしまうところがあり、もっと正確に言えば2~3時間だったりします。

描けるという自信があったか、というより、ある特殊な分野以外は「描けない」という感覚がおこったことがないというのが正直な感覚で、それに、「描けないかもしれない」というネガティブな感情は、仕事上では不要ですよね。

仕事は、いつも経験があるテーマで来るわけでもなく、いつでも、自分にとって新しいテーマがやってきます。しかしながら、引き受けるかという打診についての問いあわせについての私の答えはいつも「Yes」でした。

この理由は、他のお仕事はできないけれど、「絵を描くこと」だけは、「Yes」、と言う意味なのです。つまり、絵を描くこと以外のお仕事は全く褒められたことがないので、そういった意味で、描くことのお仕事はいつも「Yes」なのです。

描いたことがないものを描くことは、私にとって楽しいチャレンジなのです。

とても美味しいご馳走と、いつも感じていたのです。

そして、納期の早さに驚かれてしまうことが度々おこり、やがて、描くことは「天職」だと気づいたのです。

つまり、描いたことがあるか否か、それを考えてしまうのは、ちょっと残念な思考だと思うのです。

描くことだけは、いつも楽しいチャレンジでありたい・・。

また、「仕事にするわけではないのだから、やる必要がない」

という言葉を言われる方がたまに見えます。

これもまた、画家的思考とはちょっと違うのです。

絵を仕事にしている人は、仕事だから描いているわけでもなく、もし、何も報酬がもらえなくても、それでも描いてしまうのが画家であり、それぐらい好きなことなのです。

なので、「仕事にするわけではないから、これ以上はやらない」ではなく、本気で好きかどうか、ただ、それだけのことだと思うのです。

さて、本題に戻ると、絵の先生が、予告されないままその日のモチーフを突然テーブルに置かれて描くことを、数年間やっていればこれが当たり前になってきます。

画塾でやっていることは、どんなモチーフを突然置かれても、ある一定のクオリティで描けるようになるトレーニングだと思います。

その都度、描き方を教えてくれるわけでもなく、その都度、自分で考えて工夫して描くことを無言でトレーニングしていく作業だと思います。大人の水彩画教室と、画塾との違いは、テーマが予告されるか否かということに大きな違いがあるように思うのです。

この自分で考えて工夫する特訓こそが、画塾で繰り返し多くおこなわれることだとすると、そこの不親切さこそ、後の力になっていきます。

そして、ある程度、自分で絞り出した後、先生のアドバイスが入る程度であり、親切に描き方を教えてもらった記憶は、まったくないのです。

先生に描き方を教えてもらえることを前提としたものが、大人の水彩画教室だとすると・・・、

この結果、何がおこるかというと、

「習っていないモチーフは描けない」という感覚に襲われてしまうのだと思います。

9月のテーマは、「ハチミツ」です。

このテーマを絵の中で、どんなふうに織り込んでいくのか、

それは、自由です。

水彩サロンは、初級から中級まで幅広く教えています。

基礎から始められる方には、モチーフのボリュームを減らします。

さて、ハチミツを容器に入れたり、垂らしてみたり、パンに塗ってみたり

色々工夫して、

秋の小さなブーケと一緒に描いてみてください。

9月の日程は、9月20日、21日 です。

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お教室と言えば、オンラインレッスンが大変多くなりましたね。

最後まで対面レッスンに拘り、感染症対策をできるだけ施し、様々な水彩のお仕事を実際にたくさんしてきた経験を活かしつつ、最後のレッスンとなる日まで

丁寧に実施させて頂きます。

お問い合わせは、TEL052-854-6063まで