Essay

オーダーメイドで描く薔薇の絵

2023.10.23

今年夏に、バラの絵のオーダーを頂きました。

通常、F4サイズからのオーダーを受けていましたが、近年ハガキ倍サイズ(B5サイズ)の要望も増えてきました。

日本の一派的な住宅サイズでは、F6~F8サイズぐらいが大きさとして人気があります。

かなり大きい壁がある場合は、F10~F12ぐらいを目安に絵を探すといいでしょう。

しかし、大切な人へのプレゼント用としては、はがきサイズやはがき倍サイズが最も要望があります。

あるいは2枚目、3枚目のコレクションとしての要望が多いサイズです。

小さいサイズのオリジナル水彩画は、実はお母様へのプレゼント用がとても多いです。

今回も、お母様への「60th Anniversary」ということでした。

オーダーメイドの絵の場合、最初からお母様の要望や好きな花や色を聞いて描くので、スペシャルなプレゼントになりますね。

小さくても本物を・・・

これはとてもいいアイデアですね。

薔薇の絵のオーダーのコツは、春先か、9月ぐらいに打ち合わせをして、リクエストにあった花や植物が出てくるのを待って、制作に入るのが理想です。

ライラックや、さくらんぼや、時期が限定される植物と一緒に描いて欲しい場合は、オーダーの時期を狙ってシーズン前に打ち合わせてだけ済ませておく必要があります。

初夏の実物、例えばジューンベリーやブルーベリーなど、ベリー系と薔薇を描いて欲しい場合、春先に打ち合わせをしておくといいと思います。

日本には四季があり、理想の果実を手に入れられるのは、タイミングがとても重要ということです。今回、秋薔薇が出てくる時期を狙って描くことになりました。

年々暑い季節が長くなり、今回、理想の薔薇がいつ出てくるかなあと思っていましたが、運よく花屋さんで「スィートカタリナ」という可愛い薄ピンクの薔薇が見つかったため、それにあわせて要望の紫の花と組み合わせて買って帰りました。

オーダーの絵と言っても、私が花をコーディネートする場合と、フローリストに要望を伝えてブーケを一任してしまう場合とあります。今回は、私がすべて花を選びました。

今回伺った花屋さんは、フラワーノリタケさんです。名古屋栄にある花屋で、フランスの田舎のようなイメージの花屋です。近所の花屋では、充分に花の種類が揃わないことが多いため、特にオーダーの場合は、品種が豊富な花屋にわざわざ出かけます。

お客様の理想の絵のイメージが、実は10号サイズのヨコ位置の絵だったため、小さいサイズでもなるべく豪華さが出るように、花の種類を増やしました。

縦か、ヨコの絵かも希望があれば、対応可能ですし

すべてお任せもありです。(笑)

「あとは先生にお任せでお願いします。」こんな感じのフレーズで打ち合わせを終えられるお客様が多いです。

日本には「お任せ」文化があります。

その季節に一番美しい植物を画家がセレクトし、描いてもらう方法ですね。

寿司屋に行って、「お任せで」と言ってみるのと同じで、どんな絵が届くかサプライズ感があり、ちょっと楽しいと思います。

お任せを少し残しておくことで、届いた時にワクワク感を味わえます。ただし、お値段はきちんと決めて開始します。

それで、今回、ヨコ位置ということと、小さい絵でも豪華さを出すために、いろいろ思案した結果、ウェッジウッドのガラスの器にすることにしました。

ブーケが崩れないために、中に金属の花止めのしかけを入れました。花瓶敷きは、天然大理石のトラバーチンです。

絵はいつも一日で描き上げます。
薔薇は刻々と開き続けるため、ベストなタイミングを狙います。

額縁選び

額縁、アクリルガラス、マットのコーディネートは絵を引き立たせるためにとても重要です。

絵が仕上がると、お客様に絵の画像を送ります。

それと共に、額縁の提案をします。

今回のように、すでに出来上がっている額縁から選ぶ場合もあます。

実は、額縁は私がコーディネートする予定でしたが、他にも似合う額縁があったため、数種類お見せしてお客様に選んで頂きました。

その結果、この手作り額を選んで頂けました。

私も実は一押しでした。

この額縁は、長年私のために額縁をオーダーメイドで作ってくださっていた額職人さんの手作りで、閉業される前に、私が工房を訪ねて見つけたものです。

マットが大変凝っていて、細いラインも実は手描きされています。額縁は、マットの美しさで決まるところがあり、一目で気に入り、同じものを2点購入したうちのひとつです。(つまり、同じ額があと1点あります。)

今回は、「ピンクの薔薇をメインに紫の花との構成で」、というリクエストでした。

主役となる薔薇が、絵の中でメインとなるように、丹念に描きこみました。

実は絵の具の色にしかけがあり、ピンクと言っても、実は黄色やオレンジ味があります。しかし、ピンクの薔薇と認識するようにしかけをいれました。この複雑な色のしかけが、大人っぽいピンクになると思いました。

薔薇の花びらの重なり部分には、薄ピンク、肌色、オレンジと複雑に色が入っています。

近くで見ないとよくわからないので、画面ではわからないかもしれません。

日々、様々な色のしかけを発見してほしいですね。

ブーケについて言えば、実は色数が増えるほど、花の構成が難しくなります。緑色は中性色と言って、影響がほぼ出ません。しかしその他の色が増えるほど美しく見せる難易度が上がっていきます。

ブーケを作る場合、花の色は一色で、あとはグリーンという構成が最も失敗がなく、またハイセンスに見える傾向があり、多くのフローリストが使っている手法でもあります。多くて3色までなど、決まりを作っているフローリストもあるぐらいです。

花屋に入って、自分の頭の中で、色の配分を考えながら、花の選定に入ります。頭の中で、すでに絵の仕上がりを想像して買っています。今回は、小さい面積で赤紫、青紫、濃い紫など紫のバリエーションを増やすことで、絵に複雑性を作ろうと思いました。

花屋にいる間に、頭の中で絵がほぼ完成・・・・

小さくても豪華に見えるにはどうしたらいいかな、と考えながら、頭の中で色彩構成・・・・・・

とても楽しい時間です。

色彩構成とは、何色を使い、どの色をどの割合で絵の中に入れるかということを、決める作業ですが・・・。

今回、ゴールド&ベージュの額縁を選ばれたことにより、絵の中のトラバーチンの色とも一致し、統一性が出て、それにより、花がより目立って見える効果が出たように思います。

さて、お部屋の秋のインテリアは仕上がりましたか?

クッションの色を変えてみたり、ラグを変えてみたり・・・・どんな工夫をしてみましたか?

色々秋のインテリアにしてみて、なんだか物足りないと気づいた時、

アートを飾ることを考えてみましょう。

オーダーなら、予算に応じて、絵の大きさや、また色あいなど決められます。

ソファーの上に、とか、収納家具の殺風景な上にとか・・・

絵の縦横の比率や大きさを決めるコツは、

白い紙を四角く切ってみて、壁に貼り付けてみてください。

額付きでちょうどいい大きさを見つけてからオーダーすれば

素敵なインテリアが仕上がりますね。

絵のオーダーの

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さて、とりあえず、絵の相談したい方は、気楽にメッセージくださいね。